ホームビジット調査(HV)について
アシスタントリサーチャーの石川です。
今回はホームビジット調査(HV)について、調査の概要と弊社でご支援させて頂いた事例を併せてご紹介いたします。
ホームビジット調査(HV)とは
ホームビジット調査(HV)は、対象者宅に訪問してインタビューを行う定性調査の手法であり、マーケティングリサーチの中でも特に無意識の行動の背景にあるインサイトやペイン、潜在的なニーズを深く探るために行います。
この調査手法の最大の特徴は、対象者の「実際の生活環境」での観察や聞き取りが行える点にあります。
実際に対象者宅に伺うことで対象者の行動とその背景にはどのようなライフスタイル・価値感が存在するのか等対象者の行動について、意識と実態の両面から把握することが可能となります。
またリサーチテーマだけでなく、対象者宅の周りにはどのような施設・店があるのかなどの周辺環境や、家の中の匂い・明るさ・埃の溜まり具合等の生活の様子に関する情報も豊富に得られることから、日常生活やライフスタイルに関わる調査に適している調査手法だと言えます。
弊社での具体的な調査事例や活用イメージについてはホームビジット調査の記事をご参照ください。
実際の調査概要
調査の目的・課題によって選択する調査手法は異なりますが、本調査ではHVの前に日記調査・観察調査を行いました。
■観察調査:生活行動の実態把握を目的として日常生活のある(炊事・育児など)について1週間、撮影を行いました。
詳しくは動画・画像観察調査の記事をご覧ください。
■日記調査:上記の観察調査と並行して、対象となる、ある特定の生活行動をする際の意識・何を考えていたかを把握するために対象となる行動をした直後に日記を記載頂く形式で実施しました。
上記の調査によって対象者の実際の行動と意識について把握した上で、ホームビジット調査の際に行動観察で疑問に感じた点や行動時の対象者の認識・態度について深堀りをしていくという複合調査の形で、ホームビジット調査を実施しました。
調査を通じて得た学び
今回ホームビジット調査を通して得た学びは
・実態と意識の乖離は往々にして存在する
・無意識の行動はライフスタイルとの一貫性がある
という事です。
実態と意識の乖離は起こり得ます。
それは端的に言えば"対象者の中で重要でないことはそもそも意識していないため、対象者が自分自身の行動を把握していないことで起こる"ということです。
実態と意識の乖離は、対象者が非合理的であるから生じるというよりは、むしろ対象者の無意識の考え方や態度・意識の行動への表出を示していると考えられます。
そのような無意識の行動には、対象者の知識・経験・そこから形成された態度が反映されています。
一見矛盾のある行動・理解できない行動であっても、背景には何らかの要因が存在するため、つぶさな行動の観察とインタビューによるその背景の理解という相補的・多角的なアプローチを併せて実施することが無意識の行動とその要因を理解し、生活者理解・顧客理解を深める上で必要であるということを本調査手法を通して体感致しました。
最後に
この調査の終了後に、調査結果がその後のプロセスに大いに活用されており、実際に定量的な成果も出てきているとのクライアント様の生の声を頂くことができました。
弊社ではクライアント様のお悩みに応じて適切な調査手法をご提案・実施していきますのえ、ご依頼、ご相談などありましたらお気軽に弊社<info@index-i.co.jp>までご連絡ください。